暮らしの安心プロジェクト
はじめに
岸和田市医師会が在宅医療介護連携推進事業として岸和田保健所の協力をいただいて2012年(H24年)の岸和田市で亡くなられた方の死亡場所をチェックしたところ、全死亡者数1990人のうち326人(16%)が自宅で亡くなられていました。しかし、このうち184名(56%)は警察の関与する事態になっていました。(参考データ図1,図2)今後、独居高齢者や高齢者夫婦単独世帯が増加することが予想され、このままでは自宅での独居死亡、孤独死なども増えていくと思われます。日本でも大都市ほどこういう傾向が強まっており、岸和田市も例外ではありません。(図3,図4)
そこで、少しでも安心してご自宅で過ごしていただけるように、岸和田市医師会では2016年度から、岸和田市在宅医療介護連携推進協議会の多職種の協力を得て、「暮らしの安心プロジェクト」を開始しています。今後さらに、薬剤師会や歯科医師会とも連携して進めていく予定です。
また、2017年5月から、岸和田市消防本部の協力により、安否確認の訪問前に救急搬送の有無について照会が必要な場合には、本人の同意があれば消防から関係機関へ情報提供を受けることが可能となりました。
目的
高齢者・独居者が安心して可能な限り自宅(生活の場)での暮らしを続けられるよう多職種と連携して支援します。
実施項目
実施項目としては以下のような項目があります。
(1)診療所の外来からの地域包括支援センターと連携した安否確認を実施して行きます。
(2)高齢者の生活の中での危険防止の啓発活動をします。
入浴、階段昇降、自転車、車の運転などについて講師を呼んで多職種での学習、住民啓発の機会を作ります。
(3)突然死を起こしやすい病気とその対策を検討します。
専門家を呼んでの学習と住民への啓発をします。
(4)生活の場(自宅・居住系施設)にいる通院困難な患者さんへの在宅医療24時間対応を積極的に、
医師・訪問看護師、多職種が連携して行います。
診療所外来からの見守り活動の実際
▼手順
(1)ゆるやかな予約制での次回来院日(これが安否チェック日になります)を確認します。
(2)ご本人の連絡先と第2連絡先(ある場合)の書式への記入。
(3)ご本人の同意サイン(消防本部の情報提供を含む)をいただきます。
(4)担当地域包括支援センターの確認と、地域包括支援センターへの郵送による登録連絡。
以上で登録は完了です。
実際に・・・
(5)もし連絡無く予約日に来院されなければ、ご本人に外来から電話をし、連絡が付かなければ第2連絡先に電話をします。それでも様子が不明なときは、担当地域包括支援センターからご自宅に安否確認に訪問します。
(6)もちろん、予約日前にはいつ来ていただいてもご自由です。また連絡をいただいて予約日をずらすことも可能です。
あらかじめ了承していただくこと
この見守りは、地域の様々な見守り活動の一つとして、岸和田市医師会や地域包括支援センターなど多職種がボランティア的におこなうもので、無料ですが、確実に安全を保障するものではないことをご理解ください。
申し込みについて
(1)かかりつけ診療所でスタッフ、医師に申し込んでください。
医師やスタッフからお勧めする場合もあります。
(2)地域包括支援センター等にも書類がありますので、そちらでご相談後、かかりつけ医療機関で申し込みできます。
(3)医師会診療所以外(薬局、歯科診療所)からも今後こうした活動を進めていきたいと考えています。
暮らしの安心プロジェクト説明・申し込み用紙
上記説明にある必要な書式のダウンロードが出来ます。