医療系職種の役割

【在宅主治医】 
訪問診療(曜日を決めた定期的訪問)と往診(変化があった時に臨時に訪問)を組み合わせて行い、在宅での診療、病院医師との連携や訪問看護師を始めとした多職種への指示書や意見書を書きます。状態が落ち着いている患者さんには2週間に1度、状態が不安定だったり人工呼吸器など高度な医療が必要な場合は週に1度の訪問が普通です。
在宅療養支援診療所の場合は24時間対応(いつでも連絡が付き、必要があれば訪問)や看取りへの対応をしています。

【訪問看護師】
医師の指示に基づき、訪問看護ステーションまたは診療所や病院から訪問します。(1)医師の指示による病状の観察や処置・点滴・医療機器のチェックをしたり医師に様々な情報を伝えたりすること(2)看護師独自の療養上のお世話、家族ケアなど医療的な知識をベースに患者さんやご家族の生活の質の向上につながる援助をすることが大きな仕事です。また医師と協力して、ケアマネジャーなど介護や福祉の職種との連絡役をします。施設によっては24時間対応をしています。

※医師・看護師とも訪問の回数限度や使う保険の種類には厚生労働省が決めたルールがありますが、医療保険や介護保険を使えます(年令、病気の種類、病状によって異なります)

【病院医師】
病状によっては在宅主治医の訪問と病院主治医への外来通院を平行して受けられます。在宅主治医が主となって病院医師がそのサポートをする場合と、病院主治医が主となって在宅医がそのサポートをする場合があります。救急での受診や入院治療、外来での検査や治療も病院医師の仕事です。

【主治医以外の往診】
在宅主治医の紹介で眼科・皮膚科・精神科・歯科など主治医以外の専門科目の医師の往診を受けられる場合があります。
また在宅主治医の不在時に、その間の対応を連携している他の医師に依頼し、急なときには代理医師が往診対応をすることもあります。

【歯科医師】
訪問での歯の治療や義歯の作成や調整、その他口腔内の病気への対応をしたり、食べる機能の維持や肺炎の予防に口腔ケアの指示を歯科衛生士にしたりします。また噛んだり飲み込んだりという機能(咀嚼・嚥下)の評価や改善への対応をする場合もあります。

【リハビリテーションスタッフ】 
医師の指示に基づき、訪問看護ステーションや病院・診療所の理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)などのスタッフによる訪問リハビリテーションを自宅でも受けられます

【薬剤師】
医師が処方箋を出して薬剤を使用する時に、訪問での薬剤管理指導を対応可能な調剤薬局に依頼すれば、薬剤師が薬を家まで届けて、その薬剤の使用法・副作用などについて説明管理をします。がんの痛みに使う医療用麻薬や中心静脈栄養(心臓近くの太い静脈にカテーテルを留置して栄養のある濃い点滴をする方法)などの薬剤を無菌室で調整して家に届けたりできる薬局もあります。

【管理栄養士】
医師の指示により管理栄養士による訪問栄養食事指導が必要な場合に受けられます。

【医療機器ベンダー】
在宅酸素装置、各種の人工呼吸器などを医師の指示に基づいて設置しメンテナンスを行います。